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学会誌JSPEN Vol.4 No.1


症例報告

悪性リンパ腫に対する化学療法施行中に小腸穿孔をきたし空腸瘻造設を施行した症例に栄養管理として行った腸液返還の経験


著者名

桒原尚太1), 大野耕一1), 傳法みわ2), 森 多喜子2), 市之川正臣1)

所属

JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 外科1), 同 栄養科2)

キーワード

空腸瘻,High output 症候群,栄養管理

詳細
要旨
症例は77 歳女性.悪性リンパ腫に対して化学療法施行中,空腸起始部の小腸穿孔をきたし単孔式空腸瘻造設術を施行した.また,遠位端は腹腔内に空置したが,栄養管理目的のカテーテル空腸瘻を造設した.空腸瘻からの排液による脱水の補正と栄養管理目的にカテーテル空腸瘻から体内に再注入する腸液返還を行った.当初は中心静脈栄養と経腸栄養を併用し,最終的に,完全経腸栄養管理を確立した.栄養状態を含む全身状態の改善を図り,空腸瘻閉鎖術を行い,初回手術後89 日目に退院した.消化管吻合を施行出来ずに空腸瘻を造設した症例では,消化管再建手術に向けて栄養状態改善を図る手段として腸液返還は有用である可能性がある.現段階では,コンセンサスが得られた方法・手技は確立されておらず,計画・実施に当たってはメディカルスタッフの協力体制が重要と思われる.空腸瘻造設症例における腸液返還に関する報告は少なく,今後の症例の蓄積が求められる.

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