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学会誌JSPEN Vol.1 No.3


原著

小児における半固形化栄養剤の臨床的有用性と胃排出能の検討


著者名

矢本真也1),福本弘二1),鈴木恭子2),八木佳子2),井原摂子3),渡邉誠司4)

所属

静岡県立こども病院 小児外科1),同 栄養科2),同 薬剤科3),同 神経科4)

キーワード

半固形化栄養剤,胃排出時間,ダンピング症候群

詳細
要旨
要旨:【目的】経管栄養を行なう児の問題点として,胃食道逆流症,ダンピング症候群,胃瘻漏れ,下痢などの合併症管理に難渋する点が挙げられる.その対策の一つとして,投与栄養剤の半固形化あるいは半固形化栄養剤の使用が注目されている.今回,胃瘻から注入する栄養剤の半固形化による合併症改善効果と胃からの排出能について検討した.【対象および方法】2014 年7 月から2016 年6 月までに,当院にてラコールNF® 配合経腸用半固形剤(以下,半固形製剤と略)を使用した53 例を対象とし,効果について後方視的に検討した.うち17 例で,液体経腸栄養剤と半固形製剤における胃排出能について消化管シンチグラフィーを用いて比較検討した.【結果】ダンピング症候群16 例中13 例(81%)で症状が消失し,胃食道逆流症10 例中8 例(80%)で逆流が消失し,胃瘻漏れ1 例(100%)では漏れが見られなくなった.消化管シンチグラフィーを行なった17 例のhalf empty time は,液体経腸栄養剤使用時の中央値30 分に比して半固形製剤では60 分となり,有意に延長した.【結論】半固形製剤は早期胃排出を緩徐にすることで,ダンピング症候群の予防となり,かつ粘稠度が高いことと胃内残渣が減少することで胃食道逆流を軽減する効果が認められた.

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