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学会誌JSPEN Vol.1 No.3


原著

局所進行口腔がん術後症例における新規嚥下調整食導入の効果と安全性の検討


著者名

川名加織1),井田 智3),佐々木徹2),小泉 雄2),白尾浩太郎4),鵜沼静香5),熊谷厚志3),中濵孝志1),峯 真司1)3),比企直樹1)3)

所属

公益財団法人がん研究会有明病院 栄養管理部1),同 頭頸科2),同 消化器センター外科3),独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 口腔外科4),秋田県厚生農業協同組合連合会由利組合総合病院 看護部5)

キーワード

頭頸部がん,誤嚥性肺炎,嚥下調整食

詳細
要旨
要旨:【目的】局所進行頭頸部がん患者の多くは術後に摂食嚥下機能障害をきたす.安全な摂食嚥下リハビリテーションには,適切な食形態の選択が必要である.しかし,当院では標準化された嚥下食がなく,改善が求められていた.そのため,学会分類2013 をもとに新たに開発導入した嚥下食の安全性と効果を検討した.【対象および方法】2012 年8 月から2016 年7 月までに口腔がんに対し切除・再建術を行った99 例(旧嚥下食群(C 群)47 例,新嚥下食群(N 群)52 例)を対象とした.経口摂取開始から経鼻経管栄養チューブ抜去,退院までの期間,誤嚥性肺炎発症率などの術後経過を2 群間で比較した.【結果】経口摂取開始から退院までの期間はC 群で22.0 日(16.0-32.8 日)に対し,N 群では16.0 日(12.3-25.0 日)であり,N 群で有意に短縮していた(p=0.002).また,誤嚥性肺炎発症率はN 群で少ない傾向にあった(C 群:N 群= 10.6%:3.9%,p=0.19).さらに,誤嚥性肺炎発症患者での経口摂取開始から経鼻経管栄養チューブ抜去までの期間もN 群で短い傾向にあった(C 群:N群= 19.0 日:10.5 日,p=0.43).【結論】N 群はC 群に比べて誤嚥性肺炎発症率を上げることなく安全に新嚥下食を導入できた.さらに,口腔がん術後患者の多岐に渡る嚥下障害に対して適した食形態を選択することができ,新嚥下食は摂食嚥下リハビリテーションを円滑に進めるための効果が期待された.

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