戻る

学会誌JSPEN Vol.1 No.3


症例報告

シンバイオティクスが保存的治療に有用であったと考えられる門脈ガス血症


著者名

野村 肇1),中村睦美2)3)

所属

島根県済生会江津総合病院 外科1),同 栄養科2),同 管理栄養士3)

キーワード

門脈ガス血症,腸炎,シンバイオティクス

詳細
要旨
要旨:門脈ガス血症は腸管壊死を反映する兆候で,死亡率は高く,緊急手術が施行されることも多い.しかし,病態や重症度によっては保存的に治癒が見込めると考えられ,保存的治療成功例の報告も多くみられる.本症例は,77 歳女性が腹痛・嘔吐を主訴に救急搬送され,小腸の癒着性イレウスと腸炎による門脈ガス血症と診断されたものである.敗血症を呈していたが,小腸の造影効果は良好であったため保存的治療を選択した.全身管理を行いつつ,小腸粘膜へのグルタミン供給およびシンバイオティクスを早期に開始することで,一時は播種性血管内凝固症候群まで増悪した病態が速やかに改善した.シンバイオティクスは,プレバイオティクスとプロバイオティクスを併用して腸内環境を強力に整え,抗炎症効果を発揮する治療であり,いくつかの研究で有用性が報告されている.本症例に関しても,シンバイオティクスを取り入れた治療を早期から行ったことが保存的治療に有用であったと考えられた.

▶論文ダウンロード◀
※論文ダウンロードには、会員IDとパスワードが必要です。