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学会誌JSPEN Vol.1 No.3


症例報告

急性肝障害と低血糖に低インスリン血症を伴った飢餓状態の3例


著者名

畦地英全1),長嶋一昭2),菊地三弥1),内藤 玲2),服部武志2),筒井未季3),田畑直子3),平石宏行3),松谷泰男4)

所属

京都桂病院 消化器内科1),同 糖尿病・内分泌内科2),同 栄養科3),同 乳腺科4)

キーワード

飢餓状態,急性肝障害,オートファジー

詳細
要旨
要旨:神経性食思不振症における急性肝障害や低血糖は多く報告されているが,高齢者の飢餓状態でも同様の症例が報告されている.飢餓状態の急性肝障害は低血糖を防ぐための肝臓でのオートファジー(自食作用)が原因である.オートファジーとは,細胞内の不要なタンパク質を排除し,その恒常性を保つために必要不可欠な現象であるが,飢餓状態では糖新生のために肝細胞のオートファジーを起こしている.低インスリン,低アミノ酸,グルコース欠乏がオートファジーを誘導する.治療は栄養療法であるが,高度な低血糖を伴うことが多く,リフィーディング症候群に注意を行いつつ,早期から慎重かつ十分な栄養療法を行うことが推奨される.今回,我々は半年間で認知症患者,精神疾患患者に,急性肝障害と低血糖に低インスリン血症を伴った飢餓状態の3 症例を経験した.今後,高齢化社会において同様な患者の増加が懸念されるため文献的考察を加え報告する.

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