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学会誌JSPEN Vol.2 No.1


症例報告

胃切除術に関連した非アルコール性ウェルニッケ脳症の1例


著者名

曽野弘士1),池田春美2),平野憲二3),貝田英二4),前田 滋3)

所属

医療法人伴帥会 愛野記念病院 内科11),同 薬局2),同 外科3),同 整形外科4)

キーワード

胃切除後,ウェルニッケ脳症,ビタミン利用障害

DOI

https://doi.org/10.11244/ejspen.2.1_40

詳細
要旨
【症例】64 歳,男性.主訴:眩暈,既往歴:胃がん(14 年前),現病歴:耳鳴りと眩暈にて中枢性平衡障害として治療するも改善せず来院した.現症:不安定歩行を認め,意識障害や眼球運動障害はなかった.脳MRI で第3,4 脳室周囲に高信号を指摘されウェルニッケ脳症(Wernicke’s encephalopathy;以下,WE と略)と診断された.しかし,血中ビタミンB1(以下,VB1と略)値は正常であった.経過:VB1の点滴により症状は軽減した.内服に移行すると再燃したため点滴を延長したところ再び寛解した.その後も徐々に間隔を空けて継続中であり,症状の再燃なく脳MRI 所見も改善した.VB1負荷試験ではビタミン利用障害が疑われた.【考察】本症例はビタミン利用障害による「相対的なVB1不足」が潜在し,胃切除に伴う吸収障害を併発したことで発症したと推察された.典型的な症状や検査結果が揃わなくとも,WE を疑う場合には早期にVB1の静脈内投与を行うことが重要である.

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